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よくあるご質問

Q

昨日からノドのイガイガ感や微熱があります。
コロナが心配なので、これから受診してもよいですか?

症状からは、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の検査を受けることを勧めます。

感染が少しでも疑われる方に対する対応は、発熱体調不良者外来枠で行っているため、まずお電話をください。当日でも構いません。

電話にて、来院時間帯を指示します。

到着したら、もう一度携帯で診療所に電話をください。手順をお伝えいたします。

 

 

それまで感染していなかった人が、新たにウイルス感染者になった場合、37.5℃以上の発熱が当日を含めて近日中に一度でも出ていると、コロナ検査で正しく陽性と判定される率が上がります。

このため、体温上昇がみられるのを待ってからの受診がよいでしょう。

解熱剤を服用している方は、その旨お知らせください。

 

なお一般来院患者さんへの感染予防上の配慮から、直接来院されても、その場での対応はしておりません。ご理解ください。

 

 

Q

高齢者に対する肺炎球菌ワクチンは2種類あると聞きました。
どちらも必要ですか?

ひとことでいうと……

肺炎球菌ワクチンは1988年に登場し、テレビ広報CMでもおなじみになったワクチン(ニューモバックスNP)と、2014年から65歳以上の高齢者にも保険適用となったワクチン(プレベナー13)があります。

ニューモバックスNPワクチンを接種した場合、その効果は年々薄れていきます。
ですから効果が期待できなくなるとされる4~5年ごとに、追加接種する必要があります。

 

一方のプレベナー13は、1回の接種のみで効果が持続します。

2020年5月29日には、プレベナー13が適応拡大となり「全年齢の肺炎球菌による罹患リスクが高いと考えられる者」への接種が可能となりました。肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高い者とは、慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患、糖尿病などを持つ人を指します。

 

 

 

それぞれの特徴や、併用効果など

2つのワクチンについての製品詳細は割愛しますが、ニューモバックスNPは「肺炎球菌のタンパク成分を含まない」不活化ワクチンで、外膜(莢膜:しょうまく)の抗原性により95種以上に分類される肺炎球菌の23タイプをカバーしています。実施方法は、インフルエンザワクチンのように皮下注射または筋肉注射です。

一方のプレベナー13は「肺炎球菌のタンパク成分を含む」不活化ワクチンで、13タイプをカバーしています。このためニューモバックスNPは免疫細胞であるB細胞のみが活性化されるため免疫記憶までは期待できません。一方、プレベナー13はカバーできるタイプこそ少ないものの、免疫細胞のT細胞、B細胞の双方が活性化されるため免疫記憶が成立します。

つまりプレベナー13は、実際に肺炎球菌の感染を受けたとき迅速な対応が期待できます。実施方法は、コロナワクチンのように筋肉注射です。

 

ニューモバックスNPとプレベナー13は、時期をずらして併用すると予防効果が高まることが期待されます。理由は、両方のワクチンに共通している血清型の抗体の効果が高まる(ブースター効果)点にあります。欧米のデータによれば、効果発現は両ワクチンを6ヶ月〜4年以内の間隔で接種することにより得られるようです。

なお日本呼吸器学会と日本感染症学会の合同委員会は、ニューモバックスNPとプレベナー13の併用については日本人を対象としたデータが少ないため、高齢者ではまず助成制度のあるニューモバックスNPの定期接種制度の利用を推奨しています。

 

ニューモバックスNP(PPSV23)とプレベナー13(PCV13)を併用する場合、実施する間隔は、欧米での臨床治験の結果をもとにして決められています。日本呼吸器学会と日本感染症学会の合同委員会は、米国CDCの勧告を参考として下図のような推奨をしています。

 

PPSV23=ニューモバックスNP

PCV13 =プレベナー13

 

 

当診療所の場合、プレベナー13の接種希望で来院された方には、既往歴や年齢、一年間のエピソード、寝たきりの有無など生活背景を勘案した上で、やらないほうがよい(避けるべき)理由が特にみつからないのであれば実施するようにしています。

 

 

 

付記)どういった予防効果が期待できるのか(もう少し詳しい説明)

ニューモバックスNPの添付文書にある作用メカニズムには、以下の説明文があります。

肺炎球菌は、その莢膜によって体内での食菌作用から保護されており、肺炎球菌莢膜の構成成分であるポリサッカライド(多糖体)に対する抗体が菌体莢膜と結合すると、食菌作用が著しく増強され、菌は貪食される。本剤は抗原として23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドを含む肺炎球菌ワクチンであり、本剤を接種することにより23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドに対する抗体価が上昇し、感染防御能を増強すると考えられる。

 

簡単にいうと、ワクチンで得られた抗体が肺炎球菌の外膜(莢膜:しょうまく)にくっつくことで肺炎球菌を食べ込む細胞が活気づき、その都度駆除してくれるといったメカニズムです。

なお肺炎球菌は、この外膜(莢膜)自体が毒性および病原性に深く関係しているとされます。

 

 

一方のプレベナー13の添付文書にある作用メカニズムの説明文はわかりづらいため、以下の説明をしておきます。

このワクチンは、肺炎球菌の外膜(莢膜:しょうまく)に無毒性ジフテリア毒素という成分が結合しており、さらに抗原性補強成分を含んでいることから、結合型ワクチンと呼ばれます。このため外膜(莢膜)に反応するB細胞が活性化されて抗体が産生されるほか、免疫の司令塔でもあるT細胞も活性化されるため、記憶(メモリー)型B細胞が誘導されます。免疫記憶が成立した状態を確保することで、肺炎球菌が侵入してきたときに迅速な反応が期待されるといったメカニズムです。

また結合型ワクチンであるプレベナー13は、人体において肺炎球菌の上気道粘膜への定着を阻止する効果も報告されています。

 

 

Q

精神科に通院中です
転院はできますか?

治療中の病名によっては転院可能です。

ただし統合失調症、双極性障害、発達障害、パーソナリティ障害、依存症、性同一性障害など

精神科の範疇に入る疾患は対象外になるため、精神科での治療を続けてください。

 

まずはお電話ください。お薬手帳の内容によって判断いたします。

 

 

Q

認知症は進行するばかりで、一度発症したら治らないと聞きました。それでも治療する意味はあるのでしょうか?

認知症を治療する目的や意味は、少なくとも2つあります。
ひとつは軽度の段階にある人をみつけ、発症を遅らせる治療や対症療法を開始することです。
もうひとつは、初期~中期にかけてみられる付帯症状(周辺症状やBPSDと呼ばれます)をコントロールすることで、負担を減らすことです。本人の負担もさることながら、家族や近隣住民といった周囲にいる人たちの負担を減らすことに意味があるのです。

それができないと家族や近隣住民の精神的・肉体的疲労が募り、やがては認知症患者と距離を置くようになります。じゃま者扱いされるようになった患者は、もとより自活が困難な状態でしたから、ますます孤立していきます。

 

時間の流れが遅く、周囲もあくせくしないような生きかたをしている地域では、もの忘れが進んだ認知症患者でもゆったり生きられるといいます。きびしく非難することなく、叱責せず、凹まさない環境がいかに大事かを認識させられるエピソードです。

 

当診療所では、軽度の段階にある人から中期に進行している人に対応いたします。
隣接する特養シーサイド湯河原では、中期から高度に進んでしまった人の対応をしています。

 

 

追記事項)

認知症の方にしばしば用いられる薬に、抗認知症薬があります。アリセプトやメマリーといった名前を聞いたことがある方も少なくないと思います。

日本ではおなじみの薬ですが、フランスではすでに保険適応外(全額自己負担)になっています。新聞記事を読むと、自己負担になった経緯がわかります。

 

認知症の治療に日本でも使われている4種類の薬が、フランスで8月から医療保険の適用対象から外されることになった。副作用の割に効果が高くなく、薬の有用性が不十分だと当局が判断した。
日本で適用対象から外される動きはないが、効果の限界を指摘する声は国内でもあり、論議を呼びそうだ。

仏連帯・保健省の発表によると、対象はドネペジル(日本での商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン、リバスタッチ)、メマンチン(同メマリー)。アルツハイマー型認知症の治療薬として、これまで薬剤費の15%が保険で支払われていたが、8月からは全額が自己負担になる。(以下略) 2018年6月23日 朝日新聞

 

 

これらの薬剤の添付文書には、以下の内容が記されています。

いずれの薬剤の効能効果にも「進行を抑制するという成績は得られていない」「有効性は確認されていない」といった文言があります。

 

《効能効果》

1.アリセプト(ドネペジル)

効能又は効果) 軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

・本剤がアルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。

・アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。

 

2.レミニール(ガランタミン)、メマンチン(メマリー)、イクセロンパッチ・リバスタッチ(リバスチグミン)は、いずれも以下の共通文書。

効能又は効果) 軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

・本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。

・アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。

 

 

ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンはアセチルコリンを増やすよう働きますから、過剰になると易怒性、不眠、手の震えなどパーキンソン症状がみられるようになります。たとえばアリセプト(ドネペジル)はアクセル系に属する薬なので、活気が落ちていたり言葉数が減ってきた例に効果を示すことがあります。しかし攻撃的で、易怒性の高い例に投与すると、火に油を注ぐようなことになり混乱が起きます。認知症の方は、ときに興奮ぎみだったり、逆に意気消沈した状態だったりします。症状は、あるところからプラスがマイナスになり、またマイナスがプラスに転ずることもあるため、投与したあとの こまめな観察が必要になります。

 

またレビー小体病(レビー小体型認知症)は薬剤感受性が高いため、通常量のアリセプトを投与することは稀です。

難しいのは、当初アルツハイマー型認知症と診断されていた人が、あるときからレビー小体病と病名が変わるケースがあることや、周辺症状(BPSD)が強く周囲が対応に追われる時期は、症状が不安定であることから、薬の評価がしづらい点が挙げられます。

ですからこれらの薬剤をどういった人にどう用いるかは、医師の判断や裁量にかかってきます。

 

認知症と診断されて抗認知症薬を服用するようになってから傾眠がみられ、頭にモヤがかかったようだと来院されたケースがありました。もの忘れチェック(長谷川式簡易知能評価スケール)にて年齢相応と思われたので、抗認知症薬を中止したもらったところ、傾眠が消えて活気が出て通常生活が送れるようになりました。

こうした混乱がまだまだみられるのが現状であり、初期認知症対応の難しいところです。

 

 

Q

睡眠薬や睡眠導入剤は、長期間投与ができないのでしょうか?
いくつかの睡眠剤を同時に出してはもらえないでしょうか?
思うように眠れず、困っています。

睡眠薬や睡眠導入剤は依存性や乱用の危険があるため、処方についての制約があります。

多くの薬剤は、投与日数が30日以内です。

また2019年4月からいわゆる睡眠導入剤や抗不安剤(安定剤)に対する扱いが厳しくなりました。

これらの薬剤はベンゾジアゼピン系(ベンゾジアゼピン受容体作動薬)と呼ばれるグループに属する薬剤が多いのですが、同一成分の薬剤を同じ用い方で連続投与した場合、医療機関にはペナルティが課せられることになりました。このため、これまでどおりの処方ができなくなる可能性があります。

 

睡眠薬や睡眠導入剤を服用している場合、睡眠に対する誤った考えにこだわっている方がときどきいらっしゃいます。たとえば「7時間しか眠れないので睡眠が足りない」「夢ばかり見るので寝不足である」「睡眠導入剤を飲んだあと、眠気がやってくるまでテレビを見ている」「お酒と眠剤を一緒に飲むとよく眠れる」などです。眠れずに困っている方は、ご相談ください。

 

もう少し詳しく知りたい方は、健康長寿サロンに収載されている「睡眠障害について その1 その2」をご覧ください。

 

 

Q

食べ物によっては、まぶたが腫れたり息苦しくなったり、全身がかゆくなります。医療機関を受診して検査したところ、アレルギーの原因がわからないといわれました。
今後気をつけることはありますか?

気をつけることは、さしあたり3つあります。
まずアレルギー反応は、原因と接触してから急激に起こるタイプ(数分~数十分以内に生ずる即時型アレルギー)か、そうでないかを医療機関で区別してもらうことです。

 

次にアレルゲンを調べてもらって避けることが大事ですが、アレルゲンの特定がむずかしい場合は、アレルギー反応が起きにくくなる薬剤を投与してもらうとよいでしょう。

また、重いアレルギー反応(アナフィラキシーショックなど)を一度でも経験した人は、急激に起きる反応に対する薬剤を常備・携帯しておくことが大事です。緊急扱いで服用する薬剤のほか、最近では急激な反応に対する自己注射用補助治療剤エピペンも利用可能になりました。
エピペンは、医療側にも使用者側にも使用上の留意点がいくつかあり、使用した場合は原因検索とエピペン補充が必須です。すみやかに医療機関を受診するようにしてください。

 

最後に、急激なアレルギー反応が起きる可能性がある体質であることを、周囲の人に知っておいてもらうとよいでしょう。
アレルギー反応は、自分が把握している原因だけで起こるとは限りません。生活のオンとオフをしっかりつけ、疲れやストレスを溜めないための体調管理や、アレルゲンと距離を置いた環境に整えるといった環境管理も大事です。

 

 

Q

アレルギー性鼻炎や結膜炎(花粉症)での受診は可能ですか?

可能です。

治療薬には個人差があります。単剤で効果が見込める方や、2剤以上で効果が見込める方、さらに点眼薬や点鼻薬の併用が必要な方などのほか、薬を飲むと眠くて困るという人もいらっしゃるため、市販薬で改善しないケースは、個別の処方レシピを用意いたします。

 

なお、季節性の花粉症だと思っていたら物理アレルギーだったり、心因性要素が関係している例もあります。これらはアレルギー治療薬だけでは改善が見込めないため、「薬を飲んでいるが、どうもよくならない」という方は、診察室で詳細を聞かせてください。

そのうえでレシピ処方を検討いたします。

 

 

Q

後発医薬品(ジェネリック医薬品)の品質や効果は、先発医薬品と同じですか? 

先発医薬品と後発医薬品は、有効成分の種類と量が共通しています。

ただ薬品には有効成分以外の物質(緩衝剤、コーティング剤、持続性をもたせるための添加物など)も含まれますので、まったく同じ製品とはいえません。有効成分以外の物質が異なっていることから、先発医薬品と較べて持続時間が異なったり、合わない成分による副症状が出たりすることがあります。

そのような場合は主治医と相談し、先発医薬品もしくは別の会社の後発医薬品を指定してもらうとよいでしょう。

 

当院の院内薬局では、国の方針や指導により後発医薬品を積極的に採用しています。しかし薬効の印象や受診者のニーズによっては後発医薬品でなく、先発医薬品を選択しています。

さらに出荷調整によりいくつかの後発品が納入されなくなって以来、2022年からは先発医薬品を用いる機会が増えています。

 

なお投薬ルールにより、同じ日に一部の薬剤を院内から、その他は院外といった処方ができないことになっています。先発医薬品のみを希望される方や、逆に後発医薬品のみを希望される方には院外処方箋を発行しますので、ご遠慮なくお申し出ください。

 

 

Q

どの薬局でも先発品から後発品まで、多くの薬が不足していると聞きました。出荷調整とは何ですか?
薬が変更された場合の注意点はありますか?

出荷調整とは、製薬会社が医薬品の出荷量や出荷先を調整することをいいます。 主な原因は、他社製品の供給停止や供給制限、販売中止といった影響により、想定を上回る注文が入って対応できない点にあります。業界では2021年(令和3年)下半期から、出荷調整が起きているとみています。

事情は複雑で、一部メーカーの不祥事から、まず後発医薬品(ジェネリック薬品)の供給が減りました。そのあと薬品不足が加速して、多くの薬剤が品薄になっているというのが全体像です。

なぜこれだけ多くの医薬品と製造メーカーを巻き込んだ事態になったのかについて、神奈川県立保健福祉大学大学院の坂巻弘之教授は、以下のような説明をしています。

 

「ある会社の出荷が止まると、同じ成分の薬を作っている別の会社に注文が集中します。注文を受けた会社でも自社の供給量を上回って出荷を制限せざるを得なくなり、さらに別の会社へと玉突き状態のように出荷調整が広がっていきます。こうしたことで大きくなった供給不足の状況は去年の夏ごろをピークに、その後も回復しないまま今に至っているとみています」

 

 

詳しい経緯についての報道がありました。ご参照ください。

 

参考資料)NHKニュースWEB 2022年1月20日 22時27分から抜粋

薬がない……ジェネリックから先発品まで なぜ?

いつもの薬局で飲み慣れた薬を受け取ろうとしたら、「その薬が今、不足していまして…」。
実は今、全国各地でかつてない規模の医薬品の供給不足が続いているんです。
どの薬が? なぜ? いつまで続く?

今わかっていることと注意点をまとめました。

 

出荷が止まったり制限されたりして薬局や医療機関への入荷が滞っている薬は、少なくとも3000品目以上に上っていると、厚生労働省はみています。

これは医療用の医薬品全体のおよそ2割にあたります。

「いつも飲んでいる薬」が足りない時、薬局では多くの場合、処方した医師とやり取りしたうえで、別のメーカーが製造する「同じ成分の薬」を代わりに渡しています。

NHKの取材班が東京・西東京市の薬局で12月に取材した際には、「薬の不足で患者のうち『4、5人に1人』の割合で別の薬に切り替えざるをえなくなっている」ということで、ほかの薬局でも同様の割合で話す薬剤師の方がいました。

また、今月13日に取材した都内の別の薬局の薬剤師は「日を追うごとに状況は悪化している印象だ」と話していて、こうした状況は今なお各地の薬局や医療機関で続いています。

 

なぜ起きた?

きっかけは、1年余り前の2020年12月に発覚した福井県のジェネリック=後発医薬品メーカー「小林化工」の不祥事です。水虫などの真菌症の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入し、全国各地の240人以上に健康被害が出たほか、国が承認していない工程での製造などの不正を長年にわたり組織的に隠蔽し続けていたことなど悪質な実態が明らかになりました。

こうした医薬品への信頼を根底から覆す事態を受け、全国の都道府県が事前の通告なしで立ち入り調査を行うなど査察が強化され、メーカーによる自主点検も行われました。

その結果、ジェネリック大手3社の1つ「日医工」(富山)をはじめ複数のメーカーで製造工程の問題が見つかり、相次いで業務停止命令が出されるなどして幅広い種類の医薬品の出荷が次々に止まりました。

発端となった「小林加工」は業務停止命令の期間の後も再開には至らず、工場などを別のジェネリック大手に譲渡することになったほか、「日医工」は本格的な再開には至っていません。

 

薬が変わった……どうすれば?

【注意点 その1】薬剤師の説明をよく聞く

当たり前のことと思うかもしれませんが、病院で処方を受けた薬を薬局でもらう時の説明をしっかりと聞くことがまずは大切です。なぜなら元の薬と薬の成分は同じでも、メーカーが違えば「色」や「形」、「飲む回数」や「タイミング」が変わることがあるからです。

 

【注意点 その2】不調を感じたらすぐ相談

同じ成分であれば別のメーカーの薬になっても、基本的には同じ効果が期待できます。しかしメーカーによって添加物などが違っていて、体質的に合わない人もまれにいます。

いつもの薬よりも効果がないように感じたり、体の不調を感じたりしたときは遠慮せず、すぐにかかりつけの薬局に相談してください。

 

「元の薬」いつ戻る?

この医薬品不足、いったいいつまで続くのでしょうか。

残念なことに来月や再来月にも解消、といった状況ではなさそうで、当面は今の状況が続く見込みです。薬の生産に目を向けると、まずは出荷が止まって供給が減った分の増産が必要ですが、安全性が厳しく問われる医薬品の場合、生産設備の増強に1年はかかるということです。

一部のメーカーでは工場の稼働時間を延ばす対応を取っていますが、1割から2割程度の上乗せが精いっぱいで、不足分を補うにはほど遠いのが現状です。

厚生労働省はメーカー側に増産を要請したり、必要以上の発注を控えることなどを薬局や医療機関に呼びかけていますが、十分な効果が出ているとは言えない状況です。

神奈川県立保健福祉大学大学院の坂巻弘之教授は「アメリカでは政府機関がどの薬がいつ頃まで不足しそうなのかをメーカーから情報を集めて提供していて、混乱を治めるには、こうした仕組みを国が急いで整える必要がある」と指摘しています。

 

 

Q

受診について――認知症、小児アレルギー、中学生などは受診できますか?

診療科目は内科、老年内科、呼吸器、アレルギー、心療内科です。

  • 認知症(疑いを含む)はおいでください。対応いたします。
  • 小学生までの小児アレルギー(喘息、皮膚炎、鼻炎、食餌アレルギーなど)は、小児科を受診してください。一般的には中学生までが小児科で、高校生からは内科担当ですが、当院では中学生から対応いたします。

 

 

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