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浜辺の診療室から

動ける孤独と、動けぬ孤独のギャップ
(死と向き合うこころ 第3回)

  • 高齢者の終末期

「最低でもどうにか動ける状態」で感ずる高齢者の孤独と、「もはや自力では動けない状態」で感ずる孤独のあいだには、ギャップがあるようにみえます。理由は、高齢者が置かれた状況に、天と地ほどのギャップがあるからです。

 

けれども、そう解釈している「わたしたち」が、ギャップを増幅させている可能性はないでしょうか。もはや自力では動けない状態を、人間性の総力が低下した状態であると考えていることはないでしょうか。孤独感にさいなまれているといったところで、自力で動けない状態なら、わ・た・し・た・ち・ほど孤独ではないのでは? と、涼しい目で眺めていないと言いきれるでしょうか。まるで、モノをみているように……。

 

有限の時間で生きるしかないことを知ってしまった人間にとって、孤独は重たいにちがいありません。

しかし、考える力が残された老いびとの多くは、程度の差こそあれ、来たる“死”をみつめているようです。

とはいっても、……死を経験した人は、誰もいません。

経験したことのない死を、死から離れた世界で考えてみたいのであるなら、死に近いところで考えた人たちのメッセージを、もう少し知っておきたいと思います。

次回からは、そうした人々が残した記録から終末期を考えてみます。

目次

認知症

高齢者の終末期

老いるということ

新型コロナウイルス感染症

心療内科

介護・医療・福祉の現場から

生をめぐる雑文

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