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浜辺の診療室から

2021年 コロナワクチン開始
(感染拡大とワクチン接種 第1回)
2021年2月  

  • 新型コロナウイルス感染症

これから市町村ごとに行われる新型コロナ対応は、

届いたワクチンを無駄にすることなく、

しかも短期間のうちに多くの対象者に接種するため、

トライ&エラーによるシミュレーションを重ねていく必要があります。

公衆衛生の知識だけでなく行動心理学、人員管理、危機管理など

複合的なセンスが問われます。

甘く見ていると、実施会場はたちまち混乱するでしょう。

しかしシミュレーションをしておくべき課題は、

ワクチン実施の場といったローカルな部分ではなく、

ワクチン戦略そのものなのだろうと思います。

 

 

新型コロナワクチンは強制でなく任意

つまり希望ですから、

接種を希望する人と、

現時点では接種したくない人と、

さしあたり接種しないで静観したいといった人たちがいるはずです。

 

こうした意見や希望は、なぜ分かれるのでしょう?

報道をみていると、

接種したい人は、新型コロナの怖さを理由にしている例が多いようです。

接種したくない人は、副作用や実施件数の少なさを理由にしている例が多いようです。

けれども大事なのは有効性です。

接種することで、ひとりの人が感染しにくくなるとか、

感染しても重症化しないために有効といった説明は

たしかに繰り返し耳にしてきました。

 

 

では社会的有効性や目的はどうなのでしょうか。

いわば新型コロナワクチンの社会的位置づけです。

 

……目的とか社会的位置づけ?

決まっているでしょ、集団免疫を獲得するためでしょう。

コロナ禍からニッポン全体を救うためにも、

できるだけたくさんの人がワクチン接種を受けるべき――

とする意見は、

ワクチン接種がカウントダウンされつつあるいま、

盛んに飛び交うようになってきました。

……それって本当なのでしょうか?

 

 

多くの人が接種することでオリンピックが開催できそう とか、

ワクチン接種を展開することで、従来のようなマスク不要の生活が数年後にはやってくる

といった期待的憶測を抱いている人も少なくないと聞きます。

ワクチンに対する説明が不十分だとしたら、同意以前の問題になってしまいます。

 

 

難敵に対する戦略が国レベルで展開されるのであれば、

全体構想つまり終息に向けたグランドデザインが知りたいところです。

ワクチンという武器を手に入れたいま、

大規模な接種を展開することで、

どのような現象が期待できるかを試算するには、

・ ワクチン効果の持続有効期限 と、

・ 感染拡大を阻止するために、どういった効果が期待できるか

の2点が問われるはずです。

後者は、ひとりの人間に対する効果でなく、集団に対する効果です。

そうした情報や試算なしに、ワクチンしますか? しませんか? と問われても

答えに窮するのはあたりまえのような気がします。

 

期待度の高いワクチンだからこそ、

接種を逡巡している方々のもやもやを少しでも晴らせるよう

ワクチンの社会的位置づけについて、しばらく考えてみようと思うというのが、

今回の「感染拡大とワクチン接種」シリーズになります。

しばしお付き合いください。

目次

認知症

高齢者の終末期

老いるということ

新型コロナウイルス感染症

心療内科

介護・医療・福祉の現場から

生をめぐる雑文

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