• 0465-64-1600

浜辺の診療室から

感染症の流行は理由なく消えることがある
(感染拡大とワクチン接種 第9回)
2021年2月

  • 新型コロナウイルス感染症

先が見えない闘いや終わりのない生活を、いつまですればよいのか……。

大半の人たちはそう考えているはずです。

感染症の場合、終わりが来るというのは

封じ込め宣言や終息宣言が出ることを意味します。

 

新型コロナウイルスは、正式名をSARS-CoV-2といいます。

SARSは「サーズ」と読み、邦訳は重症急性呼吸器症候群です。

新型コロナの名称にSARSが付いている理由は、

このウイルスがSARSの原因ウイルスであるSARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)と

構造的に同種で、SARS関連コロナウイルス (SARSr-CoV) と考えられるためです。

 

 

SARS(重症急性呼吸器症候群)は、2002年から2003年にかけて流行しました。

コウモリのウイルスがヒトにも感染するようになった新興感染症として知られ、

感染後の致死率は10パーセント前後と、手ごわい疾患でした。

感染経路は、飛沫感染および接触(糞口)感染が主体です。

感染は、中国南部から香港、台湾、シンガポールを経てカナダにも飛び火し、

8000人ほどが感染したところで、流行は止まりました。

その後ウイルスが検出されなくなったためSARSは収まったとされ、

2003年にWHO(世界保健機関)は、封じ込め宣言を出しました。

流行がなぜ止まったかは、不明とされます。

 

 

似た名の感染症がそのあと現れ、中東呼吸器症候群(MERS:マーズ)と命名されました。

ラクダ由来のウイルスがヒトに感染することで2012年から起こり、

感染後の致死率はSARSより高く、30パーセントを超えていました。

感染経路は主に、飛沫感染(咳やくしゃみなどによる)または接触感染

とされていますが、不明な部分も多いといわれます。

感染は、サウジアラビア、アメリカ、欧州、韓国、中国などに飛び火したものの、

感染者への徹底した隔離策が奏功したことで、感染は下火になりました。

SARS同様、流行がなぜ止まったかは、こちらも不明とされます。

なおMERSは、サウジアラビアやカタールでも散発的に感染死亡者があることから、

完全終息の目途はいまも立っていないようです。

ちなみに新型コロナの致死率は1.5%(日本)~2.1%(世界)です(2021年1月現在)。

 

 

SARSもMERSも、原因病原体はコロナウイルスです。

ワクチンの存在はなく、特効薬的治療薬もなく、

治療はもっぱら対症療法でした。

もとより集団免疫が成立したわけでもなく、

そのうち流行が止まったというのが事実のようです。

目次

認知症

高齢者の終末期

老いるということ

新型コロナウイルス感染症

心療内科

介護・医療・福祉の現場から

生をめぐる雑文

ページトップへ戻る