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健康長寿サロン

サプリメントの留意点
天然成分だから安心?

お題)

テレビで、たくさん紹介してますね。サプリって結局、何? とのリクエストがありました。

 

サプリメントとは

サプリメントとは、健康食品に分類される食品で、健康食品もサプリメントも法律上の定義はなく、健康の維持増進のために利用されています(図)。

図:健康食品・保健機能食品・医薬品の分類1)を参考に作図

 

サプリメントはビタミンやミネラルなど健康の維持増進に役立つ特定の成分を濃縮し錠剤やカプセル状にしたものです。アメリカではDietary Supplementを「従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセルなど)のもの」と定義しています。

 

サプリメントの利用目的

サプリメントの利用目的は健康の維持・増進や病気の予防、食事で不足している栄養素の補給や強化、疲労回復、美容やダイエットなど性別や年齢により目的は様々です。さらに約5%は医薬品ではないですが、病気の治療目的に使用しています。

 

サプリメントの利用状況

サプリメントの利用状況は年々増加し、最近では約3割の人が毎日サプリメントを利用している状況です。また以前サプリメントを利用したことがある方は約8割もいます。さらに大人だけでなく、子供用のサプリメントもあり、身体の成長や脳の発達のために、約8~10%程度の親が子どもにサプリメントを与えています。

 

サプリメントの正しい利用法

サプリメントの情報はTVや雑誌、インターネットなどで情報が氾濫しています。まずは購入する前に、ご自分に本当にサプリメントが必要か考えてみます。 サプリメントの利用の前に、まずは毎日の食事から野菜、果物、乳製品、魚などを食品から取り入れるようにします。そのためには栄養バランスの良い食事を心がけ、食事内容や食生活事態を見直します。

サプリメントを購入する際には成分名、含有量、問い合わせ先を確認します。特に健康面の安全性や有効性を判断するためには含有量が必要です。サプリメントは食品に分類されていますが、ビタミンやミネラルなど1度に多種類のサプリメントを摂取すると健康被害の可能性が高くなり、被害の原因究明も難しくなります。何種類か摂取している場合は、同じ成分が重複していることもあり、過剰摂取による体調不良も引き起こします。 サプリメントを使用する際は、服薬中の薬との飲み合わせを確認します。サプリメントの形状は薬に似ていますが、薬とは別物です。サプリメントの利用によって病気の治癒が遅れたり、症状が悪化することもあります。

サプリメントは食品ではありますが、薬のような副作用がないわけではありません。サプリメントを利用するときは、どこのメーカーをいつ、どのくらい飲んだかなどをメモし、体調が悪くなったときは、すぐ使用を中止し、医療機関や保健所へ報告します。また三七人参、ローヤルゼリー、ウコン、スピルリナなど天然のものでもアレルギーを引き起こすこともあります。表示に天然・自然の素材と記載されていても安全、安心とは限りません。サプリメントを摂取しても良い実感がないときは、思い切ってサプリメントを止めてみることも大切です。サプリメントの上手な活用方法は、サプリメントを利用しながら生活習慣や食生活も一緒に見直していくことです。

 

 

【留意したいポイント】

❶ 成分名を見る

原材料表示に「○○抽出物」「××エキス」「△△菌」「◎◎粉末」「○×酵素」 などと書かれていませんか。このような表示は、実は「それぞれの原材料に含まれる具体的な物質名が不明である」場合があります。たとえば「ウコン抽出物」としか表示されていない場合、「どれくらい の量のウコンから」「どのような抽出方法で」「何を抽出したのか」分かりません。何が入っているのか分からなければ、その製品が有効とも安 全ともいえないのです。また、いろいろな成分を複数添加している製品は、成分同士がお互い にどのような影響を与えるか(特に悪い影響)についてほとんど検討していない場合もあります。

 

❷ 含有量を見る

健康食品の有効性や安全性を判断するためには、「量」の情報が必要です。「どれくらいの量」というのが分からなければ、安全なのか、生体に良い影響があるのか、分からないからです。量が表示されていないということは、作っている側の品質管理ができていない可能性があります。実際に、成分 名表示はあっても含有量表示のない製品を分析したところ、その成分が検出されなかった(入っていなかった)という報告があります。量の表示がない製品は、有効性も安全性も分からない製品である可能性があります。

 

❸ 問い合わせ先を確認する

成分や含有量など、製品についての質問や、摂取していて何か 不都合なことがあったときなどのために、問い合わせ先(製造者 や販売者など)が表示されていることも必要です。製造者・販売者・ 輸入者などについての表示は、食品衛生法で決められています。 なお、必須ではありませんが、お客様相談室などが設置されているかどうかも確認してみましょう。

 

補足) Q&Aシリーズ

Q 「年をとると××が減る、だからこれを摂るべき」と言われました。本当ですか?

A 摂るべき根拠が明らかでない成分は、摂る必要 はありません。

Q 天然・自然のものなら安心ですか?

A 天然・自然由来のものは、アレルギーの可能性や 品質レベルをよく検討しましょう。

健康食品の宣伝・広告で「天然=安全・安心」のようなイメージを強調するものがありますが、天然だからといって安全・安心とは限りません。

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