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健康長寿サロン

血圧の話 要治療は、どんな人?

お題)

自宅の血圧はいいのに、病院に行くと上がるのはダメ? とのリクエストがありました。

 

1.血圧は一定じゃないの?

激しい運動をすれば血圧は当然上がりますが、普通に生活していても血圧は変動します。

血圧は常に一定ではないので、たった一度の測定では血圧は決められません。なぜなら、血圧は食事や運動、ストレス、気温の変化など様々な要因で変動するからです。

例えば、24時間血圧計で血圧を測定してみると、血圧は朝起きてから徐々に上昇し始め、活動する日中に高くなります。そして、夜になるにつれて下降していき、睡眠中は更に下降します。このような一日の変動パターンを日内変動といいます。

この日内変動は、自律神経の活動と深い関わりがあります。この自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、一方の活動が活発な時、もう一方の活動が弱くなるという特徴があります。血圧は交感神経が活発になる日中に上昇し、副交感神経が活発になる夜中に下降します。

 

このことから、家庭での血圧測定は朝晩それぞれ原則2回測定し記録することで、血圧の変化や平均値からおおよその平常値を知ることができる上、病気の早期発見や合併症を抑える生活改善にも役立ちます。

朝の測定は、起床後1時間以内で、排尿後、食事前(降圧薬を飲んでいる方は服用前)、座位で1~2分安静にしてから行います。夜の測定は、就寝前ではありますが、可能であれば入浴前か、入浴してから1時間後、そして、どちらも1~2分の安静後とされています。病院にかかられている場合は、測定における追加条件について適宜医師の指示を受けてください。

 

2.高血圧の種類  

① 早朝高血圧

朝の血圧が急に上昇する方です。 朝の脳卒中のリスクが高い方です。

 

② 夜間高血圧

睡眠中の血圧が上昇する方です。

睡眠時無呼吸の症状などがこのパターンになることがあります。

 

③ 白衣高血圧

正常血圧と比較して、将来的な脳心血管病イベントリスクが高いため注意が必要と言われています。

 

3.血圧を測る腕は右? それとも左?

はじめての血圧計による血圧測定では、血圧を両方の腕で測る必要があります。これは左右の腕で血圧にかなり差のある人がときどきいるからです。特に左右の腕で測定値に大きな差が出た場合、頸部の血管(内頚動脈)に狭窄があるケースがあります。将来的に脳血管障害(脳梗塞、脳塞栓など)のリスクがあるため、頸部エコーやCT、MRIを勧めます。また、高齢者でもよくあります。高齢者は加齢により腕の血管が狭くなっているためと考えられています。

もし、左右の腕での測定結果に殆ど差がなければ、原則として利き手の反対側での測定が推奨されていますが、定期的に左右両方の腕での測定値に差が出ていないか確認することをお勧めします。

 

4.収縮期血圧(上の値)とか、拡張期血圧(下の値)って何?

血圧計に表示される「上の血圧値」とは、心臓が血液を送り出すために、心臓の筋肉をギュッと収縮させた時の圧力のことで、収縮期血圧、最大血圧、最高血圧ともいいます。一方、「下の血圧値」とは、心臓の筋肉が最も広がった時の圧力のことで、拡張期血圧、最小血圧、最低血圧ともいいます。この「上の血圧値」と「下の血圧値」を測ることで血圧の正常値に当てはまっているかどうかを把握することができます。

家庭血圧の正常値は、収縮期血圧が135mmHg未満、拡張期血圧が85mmHg未満です。

一方、診察室血圧の正常値は、収縮期血圧が140 mmHg未満、拡張期血圧が90 mmHg未満です。家庭血圧は上記の値より5mmHg低い値を目安にしてください。

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