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健康長寿サロン

新興感染症としての新型コロナウイルス感染症(抜粋1)

話題提供)

(前半)新たに出現したウイルス感染症(COVID-19)について、情報提供しました。

 

■以降は、朝日新聞アエラ/週刊朝日  2020年6月号 などから抜粋引用です。

 

【コロナQ&A】なぜアビガンは承認されない?  11の疑問に医師が答えた

Q1:欧米より日本の致死率が低い理由は?

日本の致死率が約5.3%、中国が約5.6%なのに対し、フランスは約15%、英国とイタリアが約14%と、アジア諸国の致死率が低い。その理由について、ゲノム医療の第一人者でシカゴ大名誉教授の中村祐輔医師はこう指摘する。

「アジアと欧州ではウイルスの遺伝子配列がかなり違う。因果関係はわかっていませんが、ウイルスの毒性が関係している可能性もある。他にも、アジアで過去にコロナウイルスの感染が広がったことで、今回の新型コロナにもある程度、免疫反応を起こしているのではないかという見方もある。人種によって白血球の型が違うので免疫反応が異なる可能性もある。さまざまな理由が考えられます」

 

Q2:ウイルスの毒性は、今後強まるのか?

中村医師がこう語る。

「新型コロナは遺伝子変異をくり返し、いまではウイルスの種類は万単位の情報になっています。100年前のスペイン風邪は第2波で病原性が強まり、世界中で多くの死者を出した。第1波が広がった中で多くの変異を遂げたからです。新型コロナも毒性や感染力が強まる恐れは十分あります」

立ち遅れたPCR検査体制やウイルスの遺伝子解析の整備が急務だ。

 

Q3:ワクチンはいつ完成する?

英オックスフォード大がコロナワクチンの後期臨床試験を開始したが、喜ぶのは早い。水野医師がこう説明する。

「製剤は比較的早くできると思いますが、私たちのところに届くまでに時間がかかると思われます。ワクチンを接種することによる有害事象が出る可能性もあります。まずは臨床試験で安全性を確認した上、次のステップできちんと免疫ができるか有効性が検証されます。さらに多くの人を対象に大規模な治験が行われる。そこで有効性のエビデンスが得られれば、ようやく量産体制に入ります。ワクチンが発売されても優先順位がある。まずは医療従事者や高齢者などハイリスクの人が優先になると思われます」

健康な一般の人々に回ってくるまで、2~3年はかかりそうだ。

 

Q4:ワクチンの開発は難しい?

新型コロナはインフルエンザと同様に、遺伝情報をDNA(デオキシリボ核酸)ではなく、RNA(リボ核酸)の形で持つRNAウイルスだ。中村医師が語る。

「RNAウイルスは変異しやすく、一般的にワクチンができにくい。インフルエンザもシーズンごとにタイプが違うので抗体が有効ではなくなり、毎年、新しいワクチンを打つ必要がある。やはりRNAウイルスのエイズ、同じコロナウイルスによるSARS、MERSにもまだワクチンがありません」

Q5:超過死亡ってどういう意味?

超過死亡とは、インフルエンザ流行時の死者数を推計する際などに用いられる指標。非流行時の死者数(がんや心疾患など)をベースラインとして、流行時の実際の死者数と比較する。何らかの感染症が流行していなければ超過死亡は起きない。国立感染症研究所の「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」によると、東京23区では2月中旬から3月までの5週間にわたって、毎週50~60人の超過死亡が確認されている。

上医師が指摘する。

「年明けはインフルエンザが収束しており、新型コロナの流行と符合します。PCR検査が増え始めたのはオリンピック延期を決めた3月末以降のこと。厚労省の感染症対策がいかに遅れていたか、一目瞭然です」

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