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健康長寿サロン

介護申請/認定までの流れと、介護度について

お題)

そろそろ介護保険を利用する時期じゃない? と知人から言われたが、どうすればよいか?

とのリクエストがありました。

 

介護の周辺

介護を受けたいと希望するのは本人またはご家族です。日常生活のあれこれを一人だけで行うことが難しくなってきたというのが、介護を受ける指標になります。

2019年の国民生活基礎調査によると、介護が必要になった主な要因は1位が「認知症」の18.1%、以下脳血管疾患(脳卒中)、高齢に伴う衰弱、骨折・転倒、関節疾患と続きます。これらは男女の差が大きく、男性では「脳血管疾患」が1位であり、その割合は女性の約2.5倍の24.5%を占めています。女性では「骨折・転倒」「関節疾患」が多く、男性の約3倍となっています。

 

認知症は、もの忘れ病と思われがちですが、もの忘れだけがみられるのは初期の場合です。

進行していくと脳に広汎な萎縮がみられるようになるため、ひとりで衣類が着られない、入浴や排せつがひとりでできない、食べることができない、歩けないといった症状が出てきます。

介護というと、介護保険を利用したシステムを思い浮かべる方が多いはずですが、以前は介護といえば、家族の誰かを家族のだれかが介護するパターンが大半でした。配偶者や子供さん(実の娘さんや、長男さんの奥さんなど)が高齢者をサポートする例が代表です。

 

しかし24時間365日介護をすることで家族の負担が増え、家庭崩壊をきたすリスクが増すことから、家族だけで介護すると決めた人でも介護保険の申請はしておいたほうがよいでしょう。

ショートステイ(短期入所生活介護)といって、特別養護老人ホームなどの部屋を予約・利用できるシステムがあります。 「要支援」「要介護」と認定された方が対象で、一時入所することで家族の手から離れ日常生活全般の介護を受けることができるので、介護する側の人の急な入院や、リフレッシュに効果を発揮します。

 

短期入所生活介護(ショートステイ)を利用できる人(対象者)は、介護認定(要支援、要介護)を受けている必要があります。利用する理由には、たとえば対象者本人の心身の状況や病状が悪い場合のほか、介護者である家族の疾病、冠婚葬祭、出張や介護者である家族の身体的・精神的負担の軽減などが挙げられます。

「要支援」認定を受けた65歳以上の方なら、ショートステイを利用できます。最長30日間利用でき、負担額は1割から3割です。一方、「要介護」とは運動機能や認知機能、理解力などが低下した状態です。排せつや食事が一人では行えない、立ち上がりや歩行ができないといった状態です。

介護認定区分については、下段にある備考欄を参照してください。

 

 

介護保険を利用するための流れ

1.最初の相談窓口

何からはじめていいのか、どこに相談すればいいのかわからないという方は、まず お住まいの市区町村の窓口に相談してください。熱海市なら熱海市役所、湯河原町なら湯河原町役場の介護福祉担当部署が窓口になります。市区町村の役場には、「高齢者福祉課」や「介護保険課」などがあり、介護全般に関する相談のほか、地域包括支援センターの案内などをしています。

窓口に直接相談しに行くほか、電話でも相談することができます。

 

役場の介護保険サービス担当窓口に着いたら、「要介護認定の申請」をしてください。

要介護認定とは、その人がどのくらい介護を必要とするかを判定するもので、認定の結果に応じて、対象の介護保険給付や使えるサービスの種類が決まります。

申請書には、主治医の名前・病気名を記入する欄があります。かかりつけ医がいる場合は、さしあたりその医師がいる医療機関と医師名を記入してください。かかりつけ医がいない場合は、窓口に相談してください。

以下が、介護認定の流れになります。

 

 

2.医療機関を受診して主治医意見書作成 そのあと訪問調査を受ける

数日すると、申請者が申請した医療機関に「主治医意見書」が書けるかどうかの打診書が届きます。医師が承諾すると役場から本人に連絡がいきますので、医療機関に連絡してから受診してみてください。医療機関では介護を受ける(ようになる可能性がある)人と向き合い、本人や家族から話を聞いたり、諸検査をして主治医意見書を作成して行政に提出します。

 

訪問調査では、市区町村から派遣された調査員が家庭を訪問し、本人の普段の様子や心身の状態を聞き取ることになります。この作業が終わると、主治医の意見書と訪問調査の結果をもとに介護認定審査会でどれくらいの介護を必要とするかが判定されます。

具体的には、要介護認定の「一次判定」は、市区町村の認定調査員による心身の状況調査(認定調査)と主治医の意見書をもとに、コンピュータで判定します。一次判定で一律に客観的な評価がされたあと「二次判定」に進みます。二次判定は、保健・医療・福祉の専門家による「介護認定審査会」で審査が行われます。

ただし、たとえば一次判定では「要支援2」だったものが、二次判定で「要介護1」と、より重く判定されることがあります。この場合は、個々の抱える介護の状態が一次判定よりも重いと判断されたケースになります。逆に、一次判定では「要介護2」だったものが、二次判定で「要介護1」に軽減判定されることもあります。個別に抱える介護の状態が、機械で算出した結果ほど重くないといった判断によります。このように個々が抱える介護の状態が、一次判定結果内容にふさわしくないと判断された場合は、一次判定の結果によらず要介護度が変更される場合があります。

 

判定は、介護の手間を5つに分類し、これらを時間に換算します(要介護認定等基準時間)。そして、「要介護認定等基準時間」に「認知症加算(認知症である要介護者に行うサービス加算)」を加えて評価されます。なお「結果がでるまでの期間も介護保険サービスを受けたい」などの希望がある場合には担当のケアマネージャーに相談してみましょう。

 

3.介護申請結果が届いたあと

申請結果は、申請日から30日以内に郵送で届きます。

「認定通知書」と「被保険者証」を確認し、「認定通知書」に書かれている要介護度区分を確認してください。区分によって利用できるサービスや利用限度額などが異なります。

【認定の有効期間】

・新規、変更申請:原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)

・更新申請:原則12ヶ月(状態に応じ3~24ヶ月まで設定)

※有効期間を経過すると介護サービスが利用できません。そのため有効期間が満了する前に認定の更新申請が必要となります。

※身体の状態に変化が生じたときは、有効期間の途中でも、要介護認定の変更の申請をすることができます。

 

ケアマネなどによる介護(介護予防)サービス計画書の作成

介護(介護予防)サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要となります。

「要支援1」「要支援2」の介護予防サービス計画書は地域包括支援センターに相談し、「要介護1」以上の介護サービス計画書は、介護支援専門員(ケアマネジャー:通称ケアマネ)のいる市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。

依頼を受けた介護支援専門員は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を充分考慮して、介護サービス計画書を作成します。

 

 

備考)

1.ケアプランとは?

ケアプランとは、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のことです。介護保険のサービスを利用するときは、まず、介護や支援の必要性に応じてサービスを組み合わせたケアプランを作成します。

ケアプランに基づき、介護サービス事業所と契約を結び、サービスを利用します。

《要介護1~5と認定された方》

・在宅のサービスを利用する場合→居宅介護支援事業者(介護支援専門員)に介護サービス計画(ケアプラン)を作成してもらいます。

・施設のサービスを利用する場合→施設の介護支援専門員がケアプランを作成。

《要支援1~2と認定された方》

ケアプランは、地域包括支援センターに依頼して作成してもらいます。

※地域包括支援センターは、基本的にお住まいの市町村が実施主体となっています。

詳しくは、最寄りの市区町村にお問合せ下さい。

 

2.要支援・要介護度認定区分の目安

自立)  日常生活は自分で行うことができる。介護保険によるサービスは受けられない。

要支援1)日常生活はほぼ自分でできるが、要介護状態予防のために支援がやや必要。

要支援2)日常生活に支援を要するが、要介護には至らず機能が改善する可能性あり。

 

要介護1)立ち上がりや歩行が不安定など日常生活のなかで排泄や入浴などに部分的介助を要する。

要介護2)自力での立ち上がりや歩行が困難。排泄や入浴などに一部または全介助を要する。

要介護3)立ち上がりや歩行などが自力ではできない。日常生活においても、排泄、入浴、衣類の脱着など全面的な介助を要する。

要介護4)排泄、入浴、衣類の脱着など日常生活の全般において全面的な介助を要する。日常生活能力の低下がみられる。

要介護5)日常生活全般において、全面的な介助が必要で、意思伝達も困難である。

 

 

 

参考資料)

厚生労働省「介護サービス利用までの流れ」

ニチイの介護サイト「よくわかる介護保険と利用料金」

ほけんROOM「介護保険サービスを利用する際に必要な主治医意見書とはどんなもの?」

 

 

 

 

 

目次

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