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健康長寿サロン

やせ過ぎず、太り過ぎず、自分らしく

今日は「“ちょうどいい”が、いちばん心地いい」というテーマで、体重や食事、エネルギーのバランスについてお話しします。
私たちは日々、体型や体重について、さまざまな情報にさらされています。
「もっと痩せたほうがいい」「健康のためには体重を落とすべきだ」そんな声が聞こえてくる一方で、無理なダイエットが健康を損ねることもあります。
大切なのは、誰かの基準ではなく、自分にとっての“ちょうどいい”状態を知ることです。
今回はそのためのヒントを、科学的な視点と日常の実感の両方からお伝えしていきます。

 

 

BMIって、何?

まず、体型の目安としてよく使われる BMI についてお話しします。

BMIとは、体格指数と呼ばれます。

体重kg  ÷(身長m×身長m)で計算され、体格の指標とされます。
たとえば、身長161.0cm、体重58.6kgの場合 → BMI=58.6kg ÷(1.61m×1.61m)= 22.6となります。
BMIは、あくまで健康状態をみるために指標のひとつです。

• 18.5未満:やせ
• 18.5〜25未満:標準
• 25以上:肥満
という区分が一般的です。

 

ただし、ここで気をつけたいのは、BMIはあくまで「目安」だということです。
筋肉量が多い人はBMIが高くても健康的ですし、逆にBMIが標準でも筋肉が少なく体脂肪が多い場合は、健康リスクが高まることもあります。
BMIは「体の状態を知るためのひとつの窓」。
それだけで判断するのではなく、体調、体力、生活のしやすさと合わせて考えることが大切です。

 

日本の20歳代女性では、BMI(体格指数)が18.5未満の「やせ」に該当する人の割合が20.2%と、他の先進国と比べても非常に多い状況です。「スレンダー」「極度のやせ」を美しいと感ずる若い女性が増えており、ある意味社会問題にもなっていますす。一方で、20歳代以降は、男女ともにBMI(体格指数)の平均が上がり、25以上の「肥満」に該当する人の割合も増えています。

というわけで、まずは自分にとっての適切な体重を知り、健康的な生活習慣を意識していくとよいでしょう。

 

ちなみに厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、目標とするBMIは以下のようになっています。

年齢(歳)     目標とするBMI(kg/㎡)
18~49       18.5~24.9

50~64       20.0~24.9

65~74       21.5~24.9

75以上       21.5~24.9

 

たとえば65歳以上の場合、身長が161.0cmなら 目標とするBMIの体重は55.7kg~64.5kgの範囲になります。

 

 

 

エネルギ―摂取と消費のバランス 

次に、体重の変化に直結する エネルギーのバランス についてお話しします。

摂取したエネルギーは、生命を維持したり、身体活動に利用されます。エネルギー摂取量が消費量を上回る状態が続くと体重は増え、反対に消費量が多いと体重は減っていきます。若い頃と食事や生活があまり変わっていないのに、体重が増えてくるのは、加齢にともない基礎代謝量が変化するためです。また、性別、年齢、身長、体重、身体活動レベルが同じであっても、エネルギーの必要量には個人差があります。エネルギーの摂り過ぎや不足がないかどうかは、体重の変化やBMIを目安に確認してみましょう。

 

私たちの体は、食事からエネルギーを摂り、それを日常生活や運動で消費しています。
このバランスが崩れると、体重が増えたり減ったりします。
• 摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重が増える
• 摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重が減る

とてもシンプルですが、実際の生活では、ストレス、睡眠、年齢、ホルモンバランスなど、さまざまな要因が影響します。
ここで大切なのは、「食べ過ぎないようにする」よりも、「必要な分をきちんと食べる」ことです。
特に中高年以降は、食事量を減らしすぎることで筋肉量が落ち、基礎代謝が下がり、かえって太りやすくなることもあります。
「食べることは生きること」。
体が必要とするエネルギーを、無理なく、心地よく満たしていくことが大切です。

 

 

 

基礎代謝量とは? 

エネルギーの話をするときに欠かせないのが 基礎代謝量 です。
基礎代謝とは、何もしていなくても、呼吸をしたり、体温を保ったり、心臓を動かしたりするために使われるエネルギー のことです。
1日の消費エネルギーのうち、なんと 約60〜70% は基礎代謝が占めています。

基礎代謝は「体のエンジン」。
エンジンがしっかり働いていると、太りにくく、疲れにくい体になります。

基礎代謝量とは、じっとしていても、体が生きていくために使われるエネルギーのことです。
たとえば、寝ているときや何もしていないときでも、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、体温を保ったりするために必要なエネルギーです。年齢を重ねと、基礎代謝量は少しずつ減っていきます。 これは、筋肉(骨格筋)の量が減ることが主な理由ですが、内臓の働きがゆるやかになることも関係していると考えられています。

 

基礎代謝は年齢とともに少しずつ低下しますが、筋肉量を維持することで、ある程度保つことができます。


基礎代謝を支えるポイントは、次の3つです。
筋肉量を落とさないこと
→ 無理な食事制限は筋肉を減らし、代謝を下げます。
体を温める生活をすること
→ 冷えは代謝を下げ、疲れやすさにもつながります。
十分な睡眠をとること
→ 睡眠不足はホルモンバランスを乱し、代謝を低下させます。

 

 

 

「何をどれだけ食べればいい?」 1日に必要なエネルギーと目安 

では、私たちは1日にどれくらいのエネルギーを摂ればよいのでしょうか。

1日に必要なエネルギーと目安ですが、まず必要なエネルギー量は、
• 年齢
• 性別
• 身体活動量(どれくらい動くか)
によって変わります。

 

一般的な目安として、
中等度の活動量の成人では、1日あたり1,800〜2,200kcal程度 とされています。
ただし、ここでも大切なのは「数字に縛られすぎないこと」。
食事は数字ではなく、バランス で考えるほうが続きます。

 

食事のバランスの基本は「主食・主菜・副菜」
主食(ごはん・パン・麺):エネルギー源
主菜(肉・魚・卵・大豆製品):筋肉や血液の材料
副菜(野菜・きのこ・海藻):ビタミン・ミネラル・食物繊維
この3つがそろうと、自然と栄養バランスが整います。

 

1日の食事のイメージ
• 朝:主食+たんぱく質(卵・納豆など)+野菜
• 昼:主食+主菜+副菜
• 夜:主菜をやや控えめにしつつ、野菜をしっかり
「完璧にしよう」と思うと続きません。
“だいたい”でいいので、主食・主菜・副菜をそろえる
これだけで体は驚くほど整っていきます。

 

肥満は、生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、ひざや腰にも負担がかかりやすくなります。年齢や日々の活動量にあったエネルギーのとり方を少しずつ意識してみましょう。また、栄養が足りない状態が続くと、体の抵抗力が弱まり、風邪をひきやすくなったり、軽い風邪が長引いて肺炎につながることもあります。「いろいろ食べる」「しっかり食べる」ことが大切です。

そして、できる範囲で、身体を動かすことは、元気を保つためにおすすめです。

 

 

 

やせ過ぎず、太り過ぎず、自分らしく

ここまで、BMI、エネルギーのバランス、基礎代謝、食事の目安についてお話ししてきました。
最後にお伝えしたいのは、健康のゴールは「痩せること」ではなく、「自分らしく心地よく生きること」だということです。
体重は、健康の一部であって、すべてではありません。
体重が少し増えても、よく眠れ、よく動け、よく笑えるなら、それは健康です。
逆に、体重が軽くても、疲れやすく、冷えやすく、気力が出ないなら、それは「やせすぎ」のサインかもしれません。
大切なのは、体重計の数字より、今日の自分の体調。誰かの理想より、自分の “ちょうどいい” です。

 

 

 

高齢者が痩せや肥満に関する 最近のトピックス

ここからは、痩せや肥満をめぐる最近の世界的な動きについて、少しお話ししたいと思います。体重や体型の問題は、個人の努力だけではなく、社会全体の変化とも深く関わっています。最新の報告や研究から見えてきたポイントを、わかりやすくお伝えします。                                                   🌱世界では肥満が増え続けている  まず、国際的な動きです。OECD(経済協力開発機構)や世界肥満連盟の2025年の報告では、2030年に向けて世界の肥満率はさらに上昇すると予測されています。特に注目されているのは、肥満が「個人の生活習慣の問題」ではなく、社会環境によって生み出されているという視点です。具体的には、手軽に買える加工食品や高カロリー食品の増加、車移動が中心で歩く機会が減った都市構造、低所得層ほど健康的な食事にアクセスしにくい現実、ストレスや睡眠不足が慢性化した働き方などです。こうした環境は「オベソジェニック環境」と呼ばれ、肥満を生みやすい社会構造そのものが問題だと指摘されています。つまり、肥満は単なる食べすぎや “意志の弱さ”ではなく、社会全体の課題として捉えられ始めているのです。

 

🌱肥満は心臓病の大きなリスク ― 新しい報告から   次に、健康への影響です。世界心臓連盟(World eart Federation)が2025年にまとめた報告では、心血管疾患による死亡の約3分の2に肥満が関与している

とされています。肥満は糖尿病や高血圧だけでなく、心臓病・脳卒中などの重大な病気のリスクを高めることが、より明確になってきました。特に、内臓脂肪が多い「隠れ肥満」は、BMIが標準でもリスクが高く、体重だけでは健康状態を判断できないという点が強調されています。

 

🌱日本では“やせすぎ”も深刻な問題に  世界では肥満が増えていますが、日本では少し違う傾向があります。特に高齢者では、やせすぎによるフレイル(虚弱)や転倒リスクの増加が大きな課題になっています。筋肉量が減りやすい、食が細くなり、必要な栄養がとれない、体重が軽いほど骨折しやすいといった理由から、「痩せている=健康」ではないという認識が広がっています。また、若い女性の「やせ志向」も依然として強く、無理なダイエットによる月経不順や骨量低下が問題視されています。日本では、肥満と同じくらい“やせすぎ”にも注意が必要というのが、最近の大きなトピックスです。

 

🌱 “ちょうどいい”体重は人それぞれ ― 最新の考え方   最近の国際的な議論では、「理想体重」よりも“健康に生きられる体重”を重視するという考え方が広がっています。その理由は、体重だけでは健康を測れないからです。体重が重くても筋肉が多ければ健康であり、体重が軽くても筋肉が少なければ不健康であり、生活のしやすさや疲れにくさ、気分の安定も大切な指標であるといえます。つまり、「痩せているか」「太っているか」よりも、「その体でどれだけ元気に暮らせるか」が重要だということです。この視点は、今日の講話のテーマ“ちょうどいい”が、いちばん心地いいと深くつながっています。

 

 

 

まとめ:今日からできる小さな一歩

健康は、毎日の小さな積み重ねです。

• BMIはあくまで目安
• 食べる量は「減らす」より「必要な分を満たす」
• 基礎代謝は筋肉・体温・睡眠で支える
• 主食・主菜・副菜をそろえるだけでバランスが整う
• 目指すのは「痩せる」ではなく「自分らしい心地よさ」

今日の自分に優しく、無理なく続けられることをひとつだけ始めてみてください。

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