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健康長寿サロン

新型コロナウイルス感染症
第6波 初期~中間情報

話題提供)

第6波襲来にて、報道された内容から有益と思われる情報を集めてみました。

 

【Q】オミクロン株の病態が明るみに出つつある。 オミクロン株に罹患したらどのような症状が出るのか?

【A1】WHO(世界保健機関)の責任者マフムード氏は4日、オミクロン株の症状について、鼻やのど、いわゆる上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低いという見解を示した。また南アフリカの医療関係者も、オミクロン株感染者の大半は軽症か無症状、味覚や嗅覚の異常はないとのこと。「肺まで達して深刻な肺炎を引き起こすほかの複数の変異ウイルスと異なり、上気道の炎症を引き起こしやすいとする研究結果が増えている」と述べ、炎症の場所が鼻やのどにとどまるケースが多く、重症化するリスクは低いという。英保健安全局の初期の分析によると、オミクロン株はデルタ株に比べて入院に至る重症化率が50~70%低い、とされている(NHK報道から)。

日本の場合、多かったのは「筋肉痛」「関節痛」の症状を訴えるケース。倉持仁インターパーク呼吸器内科院長は「オミクロン株はデルタ株より症状の種類が多い傾向にある。ウイルスが体のいたるところで増えているという可能性があり、筋肉痛であったり、けん怠感が出やすくなるのでは?」と語っている。長崎大小児科教授森内浩幸医師は「新型コロナの死亡率は1.2 から1.5 %程度あったんですけれども、最近の死亡率を見ると0.3から0.4%程度。ひところの4分の1ぐらいに低くなっている。それでもインフルエンザよりは高い数字であり、0.3%ぐらいということは300(人)に1人。オミクロン株に皆でかかっちゃえば終わるんだみたいな楽観論は持ってほしくない」(談)。オミクロン株感染者の特徴としては、ほとんどがワクチンを接種済み、海外から帰国した20代~60代までが中心、無症状か、症状が出ても発熱・せき・のどの痛みなどが多い、重症化した人はいない、味覚や嗅覚の異常を訴える人はデルタ株と比べて少ないと国立国際医療研究センター談。(NHK首都圏ナビ)

 

【A2】WHO(世界保健機関)で新型コロナウイルスの分析を担当するマフムード氏は、「肺まで達して深刻な肺炎を引き起こすほかの複数の変異ウイルスと異なり、上気道の炎症を引き起こしやすいとする研究結果が増えている」と述べ、炎症の場所が鼻やのどにとどまるケースが多く、重症化するリスクは低いという見解を示した(WHO)。

ハムスターの実験では、デルタ株や従来のウイルスでは体重の減少や肺炎の悪化や、肺での出血などがみられたが、オミクロン株では体重に大きな変化はなく、肺炎になっても悪化することはなかった。あくまで動物の実験結果だが、オミクロン株が症状を引き起こす力はデルタ株などに比べると弱い可能性がある。(東大医科研データから抜粋)

 

 

【Q】オミクロン株は軽症との情報がある一方で、後遺症が問題との話もある。 実情は?

【A】新型コロナウイルス感染症後遺症報告書(世田谷区)によれば、「コロナに罹った人は2人に1人が後遺症に悩まされている。後遺症は永続し、半年、1年と経過しても症状が取れない人もいる。全身の倦怠感、だるさ、重さといった症状は、実は中等症以上に重くなった人より、軽症者で高率に残っているといった傾向がある。新型コロナウイルス感染症は変異株により急性期症状や後遺症に差異がみられることと、人種的差異などいわゆるファクターXの関与も想定されていることから、感染者が増えつつある現時点で後遺症について明記することはできない」とのこと。つまり軽症で済む例が多いものの、後遺症については既存株と比べて軽く済むと言えるまでのデータはそろっておらず言及できない。

 

 

【Q】ワクチンはオミクロン株に効かないといわれる。対応できるワクチンはいつできる?

【A】確かに、オミクロン株はスパイクタンパクが32個以上変異しているため、従来のワクチンでは非常に効きづらい。抗体カクテル療法も同様。ワクチンは、ほかの変異株に対する予防効果にはなるが、オミクロンには3度のファイザーワクチンを打った人もしばしば感染した。政府は今からでもこの変異株に対し、ワクチンを作るよう第一三共(mRNAワクチン)、KMバイオロジクス(不活化ワクチン)に要請した。(奥田研爾/横浜市立大学名誉教授から抜粋)2021/12/11

 

 

《その他の話題》

コロナ第6波の切り札? それとも期待外れ? 自宅で服用できる「モルヌピラビル」承認へ(東京新聞 2021年12月24日)

厚生労働省の専門部会が24日、米メルクの飲み薬「モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)」を新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認することを認める見通しだ。自宅で服用できる重症化予防の飲み薬としては国内初。政府は第6波対策の「切り札」と位置付ける。気がかりは、臨床試験(治験)の最終結果で確認された入院・死亡を抑える有効性だ。当初見込んだ50%から30%に下がり、医療関係者からは落胆する声も上がる。(原田遼)

岸田首相は同日、ラゲブリオ20万人分を今週末から全国に配送し、「来週から使えるようにする」と表明した。メルク社とは160万人分の調達を契約済み。ただし、第6波対策で使うためには、保健所の体制増強も必要になる。モルヌピラビルは早期(診断から5日まで)の処方が必要。治験では有効性は「発症から5日以内」しか示されていないため。第5波のように、PCR検査や医療機関の紹介が遅れると、処方が間に合わなくなる。

備考)感染者の爆発的拡大により、コロナPCR判定結果到着まで数日を要するようになり、検査試薬も品薄になっている(2月上旬時点)。このため早期に投薬できない例が出てくるのではと懸念される。

なお検査をせずとも症状で新型コロナウイルス感染症と診断してよい(臨床診断)とする自治体(神奈川、大阪など)が出てきた。賛否両論あるが、血液検査にてコロナ感染症ではなく別の感染症が判明することはよくある。非コロナをコロナと診断してしまうと、適切な初期治療が遅れるリスクがある。

 

 

抗体カクテル療法はオミクロン株に効果なし?

SARS-CoV-2に対する抗体療法は、抗体をウイルスのスパイクたんぱくに結合させることによって、ウイルスがヒトの細胞に感染する作用を防ぐ仕組み(侵入防止)。この治療法は、これまでのCOVID-19の重症化リスクを最大で85%減少させるとされてきたが、オミクロン株はスパイクたんぱく質の変異が大きいため、抗体療法(現時点ではロナプリーブとゼビュディの2製品)がすんなりと効きづらい。二種類の抗体を投与する抗体カクテル療法「ロナプリーブ(点滴)」については、厚生労働省が投与を推奨しないことを決めた。(2021年12月24日NHK報道)

一方、別の抗体療法「ゼビュディ(点滴)」の場合、薬液に含まれる抗体は一種類だが、変異を起こしにくいスパイクたんぱく部分に作用するため、オミクロン株にも一定の効果が見込める。24時間の観察が必要なため、1泊2日など原則は入院が必要。

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