• 0465-64-1600

健康長寿サロン

うつ病、抑うつ状態
どんなときになりやすい?

孫がうつ病で仕事を休んでおり、悔しい思いがある。うつ病についてとのリクエストがありました。

 

どのような時代にあっても、わたしたちはこころの揺れを感じながら日々暮らしています。

こころには“懐の深さ”がありますが、それを超える揺れが生ずると、からだのゆがみによる症状が出てきます。気持ちが負に傾くと、これまでの楽しさが感じられなくなる、気力が萎える、思考停止状態に陥る、寝つきが悪く寝ていても夜に目が覚めるなどの症状が出てきます。

この状態が長引くと、自分はたいした人間ではないといった自己卑下が起こる、死にたい気持ちになるといった症状が出てくるようになります。

うつ病とは、精神的な落ち込みに加えて、心身とくに脳のエネルギーが著しく枯渇することで、意欲が著しく落ちた状態をいいます。このためうつ病と聞くと精神症状だけと思われがちですが、身体症状を伴っていることが多く、自分は病気かもしれないとの自覚症状を伴っているのが一般的です。

一方、抑うつ状態とは、うつ病の特徴でもある気分が落ち込む状態にあることをいいます。

うつ病は、複雑な原因によって発症することが多いのですが、抑うつ状態は原因がはっきりしていることがよくあるため、背景にある環境や発症に至った経緯の分析が効果的です。。

 

【どれくらいの人が、うつ病になる?】

WHO(世界保健機関)はうつ病の生涯有病率(一生のうちに一度は病気にかかる人の割合)を3~5%と報告しています。つまり100人のうち、 3~5 人はうつ病と診断される勘定になります。女性は10~25%と、男性のおよそ2倍です。女性の4人から10人に1人は、少なくとも一度はうつ病を経験するといったことになります。

 

【なりやすい性格は?】

几帳面、正確、勤勉、良心的、責任感が強いなど、社会では優秀とされる人に多い傾向があるとされます。また対人関係では、他人との摩擦を避け、利己的でなくむしろ他人のために自分はどうあるべきかと利他的な行動を好みます。一方で、秩序を重んずる反面、柔軟性に欠ける傾向がある点も特徴です。こうした傾向を持つ性格は、昔からメランコリー親和型性格と呼ばれてきました。転職や退職、昇進など仕事上のできごとのほか、出産や病気、近親者の死亡などのライフイベントにより、それまでの日常生活の秩序が維持できなくなったときに、抑うつ状態へと傾くとされます。

 

【引き金は?】

就労年齢でよくある誘因は、業務の質や量が増えたことや過重労働のほか、新たな上司や同僚とソリが合わないといった人間関係です。また若い人では、結婚や出産、妊娠や流産が誘因として知られます。熟年から初老層では健康問題、更年期、別居や離婚、失職や退職、定年、子離れなどがあります。年齢との関係が薄い要素として事故、経済的困窮、近親者や友人の死亡などがあります。

こうした要素が抑うつ状態の引き金として強く疑われる例はおよそ7割です。

ということは、思い当たる要素がなく発症するケースが約3割いることになります。

 

 

◆ よくあるうつ病のタイプ

古典的うつ病(メランコリー親和型うつ病)

よくあるタイプのうつ病です。几帳面で勤勉、責任感も強いため、問題が生ずると自分が悪かったために起きたと、その原因や責任を自分に求める傾向があります。妥協しない性格がゆえに自分を追い込んでしまい、うつ病を発症する例が典型です。

自らを追い込んでしまった結果として、自分は非力で不要な人間だ、自分は足を引っ張っているのだから給料泥棒だといった自責の念にかられ、最悪の場合は自殺行為に及ぶことがあります。きちんとした休養と治療が必要な理由です。

早期対応ができれば薬物療法が期待されますが、後手に回ると難治性になります。

 

新型うつ病

バブルのあと平成不況になって出てきたタイプのうつ病です。性格は、古典的うつ病にみられた内容と大きく異なっているとの指摘が多く、几帳面とはいえず、仕事に対してもさほど熱心とはいえないとされます。責任感よりは自分のペースを守ることを優先する傾向にあり、また何か問題が起きると他者のせいにするなど他罰的傾向がみられます。

休養と薬物療法だけでは改善せず、慢性化しやすい傾向があります。

 

仮面うつ病

身体症状が主体で、精神症状が目立たないタイプのうつ病です。精神症状がマスクされているという意味で仮面うつ病と呼ばれてきました。このため内科を受診して、さまざまな検査を受けたが異常がないため紹介されて来院する例や、ネット検索して自ら心療内科を受診する例がよくあります。

 

ほほ笑みうつ病

抑うつ症状を抱えていながら、誰かといるときはほほ笑みを絶やさないうつ病のことをいいます。

親や家族を心配させてはいけない、自分がガマンすれば済むことといった思いから辛くても笑顔を作り、明らかに調子が悪いときでも笑顔を絶やさないため、周囲から気づかれにくいのが特徴です。

ひとりになると抑うつ症状に浸り落ち込んでしまうことは他のうつ病と同じで、いじめを受け続けた人にもしばしばみられます。

 

初老期うつ病

40代から50代で初めて発症するケースです。性格は几帳面などメランコリー親和型性格が多い傾向があります。一般的な精神不安のほか、自分はある病気ではないか、この病気かもしれないといった不安が頭を離れない心気症の症状がみられます。

 

燃え尽き症候群

仕事に生きがいを見出すワーカホリックによくみられます。過酷な医療現場など他者のためになる職業の人に多く、善意と自己犠牲から睡眠時間を削ってまで仕事に打ち込みます。その結果、エネルギーが枯渇し、ボロ雑巾のようになってうつ病を発症します。良かれと思って仕事に埋没していても一向に評価されず、孤立無援になっていくと発症するリスクが上がります。

 

空の巣症候群

子育てが終わり、子どもが進学や社会人となって家から出ていった場合、寂しさや空虚感からうつ病を発病するケースです。家庭が“空の巣”状態になって発症することから、この呼称があります。

目次

ページトップへ戻る