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健康長寿サロン

こころの健康を保つためのあれこれ
(意見交換会)

A.人間関係から生ずるストレス

相談1)他者との関係性に深入りしない、互いに干渉しないで生活したいと思っている人と、深入りして「友だち」を求めて行動する人がいる。前者(互いに干渉せずを希望)は、後者とのかかわりがストレスになる。後者(お友だち関係を希望)は、自分の好意を受け入れてもらえないとストレスになる。どうすればよいか?

 

相談2)気が合って、互いに友人関係だと思って付き合っている場合、言いたいことを互いに言い合える関係だから気が合うと思っていたのに、自分の言ったことを受け入れてもらえず、相手から意見を返される。そうなると自分を受け止めてもらえなかったとの思いが募り、それがストレスになる。また愚痴や、人を非難する話題が続くと、聞かされる立場としてはストレスになる。さらに直接の会話や長電話で、夜間に電話の声が騒音となって入眠困難になってしまう。解消法としては、施設内の人間関係に関する愚痴は、施設外の友人や知人に聞いてもらうといった解消法を取っている。直接の利害関係がなく、ストレス発散になるので。どうにもならないことでしょうか?

 

◆ 対処するためのヒント

言いたいことを言い合える関係とは、自分の意見や考えを伝え、相手にも意見や考えを発信してもらえる関係をいいます。この場合、互いが対等な立場にあるといえます。つまり言ったことを相手が「受け入れてくれるかどうか」は、意見をいう行為とは別だと考えてください。

たとえば今の時代にあって、自分が「コロナだからどこにもいけないね」といい、相手も「そうだね」というのはフツーの意見交換です。自分が「感染が収まってきたし、GO- TOキャンペーンも予定されているみたいだね」といい、相手も「お酒の提供とか夜の営業時間も変わりつつあるとニュースでやっていましたね」というのもフツーの意見交換です。

さらに、自分が「だから月末には伊豆、来月には東京にいってみようと思うけれど、一緒に行かない?」といったとき、相手が「わたしは完全終息するまで外出は控えようと思っている」ということも、フツーの意見交換。対等な立場ならそれで何の問題もありません。

けれども自分の意見を相手が受け入れてくれなかったと思い、それにストレスを感ずるのだとすれば、自分の主張が優位に立っていることになります。この場合は対等とはいえず、無意識でしょうが、上に立つ優位性(支配欲)を希望している可能性があります。(以下略)

 

 

相談3)人のことが気になる。たとえば、自分が親しくしている人が、自分以外の人と交流していると気になる。また無意識に相手と比べることを常とし、自分のほうに余裕があると安心できる。しかし自分が劣りみじめだとわかると疎外感を抱き、それがストレスになる。誰かと誰かが親しくしていると、気になる。どうすればよいか。

 

◆ 対処するためのヒント

他人のことが気になる人は、比較することが好きな人であり、それが習慣になっているのでしょう。比較して安心できる相手は、目下、自分より劣っている(と思える人)、不憫な人、自分のほうが優位だと思える相手の場合が大半です。また自分のほうが優位なのに、なぜBさんにばかり注目が行くのだといった心情には、優越感を打ち破られた劣等感があります。

よく言われるように、ある部分だけを切り出して比較することで一喜一憂することの利点は、まったくといってよいほどありません。自分や相手の総体に気づけば、人間の複雑性や奥深さを知るでしょう。それに気づけば、そう簡単に比較することはできないはずです。

 

 

 

B.ストレスの解消法について

ご意見1)欧米では、心理カウンセラーなどの専門家も、自分のサポートを依頼し、ストレスのコントロールをしている人がいる。自分のコントロールを他者の判断に任せるといった姿勢。ということで、他者の活用も考えてみてよいかも。人間の強さや、弱さについて、どう考えるか。

 

◆ 対処するためのヒント

かつての精神科の壁が、いまはなくなりつつある一方で、高齢者にとって精神科は、まだ高い壁があり偏見もあると聞きます。

臨床心理士や公認心理士などによるカウンセリングシステムは、日本の場合まだ脆弱です。

カウンセリングとは、相談に乗ってもらい解(解決法)を与えられると思っている方が多いけれど、そうではありません。カウンセリングの中心にあるのは「傾聴」で、そのあと自分自身による気づきを引き出す行為が主体になります。

カウンセリングで話は聞いてもらえたが、解決法を一向に教えてくれないとの不満が多いのも日本の特徴です。これはカウンセリングをする側から目的が語られていない点が多いためでしょう。目的とは、自分自身による解決をめざす点にあります。

カウンセリングでは、認知行動療法が主体になります。ネックになっている考え方をあぶりだし、なぜそうした考えや思いになるのかを相談者がカウンセラーと一緒に考え、そうした考え方しかあり得ないか、別の考え方はないかを模索する行為です。考え方やものごとのとらえ方の “くせ”を、一緒になって考え、是正していく行為ともいえます。

カウンセリングの一部を紹介すると、たとえば自動思考というキーワードがあります。

(以下略)

 

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