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浜辺の診療室から

こんなはずじゃなかった
(最期をめぐって 第4回)

  • 高齢者の終末期

搬送する高齢者施設と、看取り対応を積極的にしている高齢者施設。

両者の終末期スタンスは、それぞれ一貫しています。

搬送する施設は、「家族からのクレームを恐れ、119番通報せざるを得ない。施設は人員も体制も十分ではないことを家族にも知ってほしい」といったスタンス。

 

それに対して、積極的に看取り対応をする施設は、「入所者や家族がどのような延命措置を望むのか」が大事であるから、搬送すれば「救急病院で望まない延命治療を受けることになり」、それは入所者や家族の意向に沿わない、といったスタンスです。

家族も「こんなはずじゃなかったのに」と感じてしまうとの理由も挙げられていました。

 

施設内での死亡が確認されたあと、ご家族から「こんなはずじゃなかったのに」といった意見を聞く機会が多いのは、病院搬送後の延命治療より、検死扱いになった例です。

搬送した施設の記事にあった「警察を呼ぶことにした」という部分にあたります。

 

 

死亡者が確認されると、医師は死亡診断書を作ります。

死亡診断書用紙には、死亡の原因を記入する欄があります。救急搬送されたときはすでに死亡していたり、搬送中に死亡された例では、死因が特定できないケースが大半です。

にもかかわらず、搬送された側つまり病院の医師が死亡診断書を書こうとすれば、ご遺体の死因を特定する作業が発生します。

全身CTによる画像診断や採血で、死因が推測される場合もありますが、死因のほとんどはわかりません。臓器の状態も、血液の内容も、心停止してから時々刻々変化するためです。

そのような場合は、警察が介入してくることになります。

目次

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高齢者の終末期

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