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浜辺の診療室から

快適職場になるためのヒント
(医療・介護・福祉系職場)

  • 働き方(労働衛生)

昭和を生きた精神科浜田晋先生の書に、

ある3名の看護系スタッフの話があります。

普段は不機嫌で拒食を示す人が、

その3名だとにっこり笑って口を開ける。

……なぜか?

安心できるから、が答。

 

認知症を抱えた高齢者は敏感で、不安や恐怖を抱いているため、

安心できる相手にだけ心を開くと浜田先生は説きます。

家庭的に苦労してきた人

声の調子にリズムがあって柔らかい人

適切な距離感が保てる人 の3点は、

相手に安心を与える上で大切であるとも、

先生は書いています。

 

医療や福祉には相手がいます。

患者、利用者、同僚・上司・部下などです。

相手の方はあなたの言動や行動を反射的にジャッジします。

……気づいていますか?

相手の立場に立てない人は、いつも孤独。

逆に相手に安心を与えている人の周りには、

笑顔が集まっています。

快適職場になるためのヒント、ですね。

 

 

電話対応について、上司から指南を受けたところ

わたしはいつだって相手の立場になって対応している!

と憤慨した人がいました。

厳しいことをいわせていただければ、

結果がす・べ・て。

対応が粗雑だったり、

ちょっと一方的なんだよね、との声が聞かれる人や

いつまでも笑顔に囲まれない人は、

相手に安心を与えるだけの

何かが足りていないのだろうと思いました。

 

カラオケじゃわからないけれど、

自分の歌や演奏を録音して聴いてみると

アラがよくみえますね。

あれと同じ。

有名な落語家さんも

自分の語りを録音して切磋琢磨しているとのこと。

接客で有名な某社は、

新入社員のことばや行為をビデオに撮って検討する

という社内教育をやっていました。

 

いまという時代なら、スマホを利用する手があります。

自分が応答している声を録音したり、

自分が対応している姿を誰かに撮ってもらう。

それを再生し、応答している自分の姿をじっくり見てみるのです。

大事なのは、相手の立場になって聞き、眺めること。

気づかなかったクセも簡単に失せ、消えていきます。

「ヘンな話」というフレーズを無意識に口にしていた人は、

この方法で、意味のないフレーズがすっかり消えました。

 

誰にだって耳障りなものは耳障りであり、

冷たさや粗雑さは、ことばを聞けばわかるもの。

再生した途端にゾッとして、虫酸が走るほどの嫌悪感が抱けるようなら、

瞬時にして自己嫌悪に陥るでしょう。

だからこそ目障りなクセは、たちまち消え失せるのです。

機器に収められた自分と向き合うのは、あわてることなく

1~2か月ほど経ってからが効果的のようです。

……ひとつ、やってみます?

目次

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