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浜辺の診療室から

仙台にて 

  • 介護・医療・福祉の現場から

高齢者の急性期初期対応についてのお話は、

東京に始まり大阪、横浜、福岡、札幌、名古屋、岡山などの会場で2016年から催され、

東京、大阪では数数回に及びました。

いずれも午前2時間、午後4時間の計6時間のメニューで、

4月13日は仙台でお話しする機会がありました。

偶然にも同じフロアの別会場では、救命救急で有名な

福井大の林寛之先生と、先日もNHKプロフェショナルに出演された

八戸市民病院の今明秀先生によるレクチャーが行われていました。

そちらのタイトルは「防ぎえた死をなくすための救急初期対応」。

午後4時過ぎに、ロビーで林先生と会う機会がありました。

「呼吸数って、現場では結構スルーされていますよね!」

気さくで屈託ない笑顔が印象に残りました。

 

当日のセミナーは、以前のときと同様

高齢者と日々向き合っているスタッフの目が印象に残っています。

せっかく参加されているのだから、

日ごろ迷っていることや困っていることを一気に解決しようと、

いつものように質問を公募したところ、多くの質問が寄せられました。

今回は、終末期に関する疑問や意見が複数ありました。

発熱など状態が悪くなって医療機関を受診したら「看取り対応の人が、なぜ病院に来るの?」 

と言われた。そう聞かれても困る。今後、どうすればよいか? 

特に夜間、救急外来を訪れると「心肺蘇生不要(DNAR)か、そうでないか」と問われるが

未回答の家族が8割超なため、その都度病院から叱られ立ち往生している。

最近、病院を受診しても胃ろうは造設せず、経鼻胃管のまま帰ってくる人が増え、

入退院を繰り返している。施設では経管栄養の8割が経鼻胃管だが、今後どうすればよいか。

終末期に、ご本人とご家族から「コーヒーを飲みたい」との希望があったため、

ガーゼに湿らせたコーヒーをご本人の舌の上に乗せたかったが、

介護サイドから猛反発を受けたため、できなかった。これって、仕方ないことですか?

ちなみに入浴についても、介護サイドから猛反発を受けたため、看取り期の入浴はできていない。

 看取りの方なのに、なぜ点滴をするのかとケアマネからよく聞かれ、困っている。

 

やっぱり現場からの生の声は貴重です。

一つひとつに時間を割いて、回答させていただきました。

 

 

会場を後にして向かった仙台駅構内は、人であふれかえっていました。

なにかあるのかなあと思っていたら、そのうち荘厳な音楽が流れ、

曲目が終わったあとは盛大な拍手がホールに響きました。

スマホで調べてみて、

仙台フィルハーモニー管弦楽団による“杜の都コンサート” であることを知りました。

粋なことは、いつもさりげなさのなかに宿っている――。

杜の文化を、団員の方々とともに育んでいらっしゃる市民性に感服しながら、

新幹線の改札に向かいました。

目次

生をめぐる雑文

心療内科

働き方(労働衛生)

高齢者の終末期

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