心肺停止
(救命現場から 第2回)
- 高齢者の終末期
心肺停止は、いつからかCPAと呼ばれるようになりました。Cardiopulmonary arrest(心肺機能停止)が、CPAの略です。救急車からの第一報も「 CPAです。搬送したいのですが、受け入れ可能でしょうか? 」が一般的です。「 心肺停止状態 」としゃべるより、CPAのほうが短く済むからでしょう。
心臓と肺の機能が停止しているというのが、CPAです。であれば「停止」の意味は、「機能していたものが、機能しなくなった状態」であることがわかります。ん? ……どういうこと?
心臓がシーンと止まり、呼吸がピタッと止まることイコールCPAで・は・な・いという意味です。CPAは、心臓がシーンと止まり、呼吸がピタッと止まった状態だ・け・で・は・な・い といったほうがいいかもしれません。
たとえば、テレビのERなんかでおなじみの電気ショックや、普及したAED ( 自動体外式除細動器 ) が行う電気ショックがありますね。あれが効くのは、心停止でありながら、心臓がぷるぷるいっている状態 (心室細動) にあるときです。
つまり心臓はぷるぷる動いてはいるが、機能せず……。そういうときに、電気ショックが効きます。心臓がシーンと止まってしまっている状態では、電気ショックは効きません。